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                      時の人  :   孟建柱中央政法委員会書記

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                    

                                              周永康から公安部長を引き継いだ孟建柱(左)

 

 

・周永康人脈の一掃

 中央政法委員会書記の孟建柱は、周永康の後を継いで、公安部長(2007年)から中央政法委員会書記(2012年)に昇進しました。これだけを見ると、周の後継者のように思われるかもしれませんが、じつはまったくその正反対なのです。

 彼は公安部長時代、中国一の富豪ともいわれた黄光裕・国美電器董事長の株価不正操作事件を手掛かりに、公安部内における周永康人脈の一掃に乗り出し、薄熙来事件究明への道を開いた、陰の功労者なのです。つまり、彼が中央政法委員会書記に就任したのは、公安部長だったからではなく、周体制のもとで腐敗にまみれた公安部を制圧した実績を評価されたからにほかならなりません。

 

・労働矯正制度の廃止

 2013年1月に孟建柱書記は、労働矯正制度を年内に運用停止にする、と発言して注目されましたが、これは彼が公安部長時代に、みずからその運用の実態を検証して決断したこと、と言われています。もちろん、彼一人の考えで決まったわけではありませんが、それなりのリーダーシップを発揮した、ということができるでしょう。

 労働矯正制度は、法輪功信者の弾圧にも利用され、数多くの犠牲者を生み出したと指摘されていますが、孟書記の発言通り、2013年12月の全人代常務委員会会議で、関連する法律の廃止が決定されました。

 その直前には、法輪功取締りを担当する国務院610弁公室主任の、李東生公安副部長が解任されています。李副部長の解任は、法輪功問題とは直接関係がないようですが、これを機に、同弁公室が廃止される可能性も出てきたのではないでしょうか。

 

・司法改革への期待

   2013年11月に開催された、中国共産党第18期中央委員会第3回全体会議は、「改革を全面的に深化させるいくつかの重大問題についての決定」を採択しましたが、そのなかで司法改革についても、注目すべき重要な方針が提起されていました。

 それは胡錦濤政権時期に封印されていた、「裁判の独立」という課題こそが、司法改革の重要な柱である、と位置づけられたことです。

 この「裁判の独立」を要とする司法改革は、肖揚最高人民法院院長時代の1999年に、「人民法院5年改革綱要」のなかで提起されたものですが、胡錦濤政権時期には厳しい逆流に直面し、すっかり忘れられてしまいました。上記「決定」は、実質的にこの「改革綱要」を再び持ち出す内容となっており、再挑戦という意味合いが強く出ています。

 10年前に一度挫折したこの改革を、孟建柱書記と周強最高人民法院院長のコンビが、どこまで進めることができるか、大いに注目されるところです。

 

      【参考ページ】    法治体制の復活

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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