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               王立軍裁判を検証する   

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    

                                    出廷した王立軍(2012.9.18)

 

 

 

続報2

 2012年9月24日の新華社通信が伝えたところによれば、同日、成都中級人民法院で、王立軍被告に対する判決公判が開かれ、起訴状通りの罪状により、懲役15年の判決が言い渡されました。王被告は控訴しない意向とのことですので、薄熙来夫人の裁判と同じく、第1審で判決が確定することになるようです。

 起訴状では、実名こそあがらなかったものの、明らかに薄熙来と分かる人物の関与が指摘されていましたので、この判決は、近いうちに薄熙来自身についても、裁判が開かれるであろうことを示唆している、と考えられます。

 

続報1

 2012年9月18日の新華社通信が伝えたところによれば、王立軍・元重慶市副市長、公安局長の裁判が、四川省成都市の中級人民法院で、17、18日の2日間、おこなわれたとのことです。

 17日については、反逆逃亡罪など国家機密にかかわる部分が審理されたため、非公開でおこなわれました。18日はその他の部分が審理されたため、公開でおこなわれています。18日の法廷には、招待された被告の親族、人代代表、政協委員、メディア関係者などが傍聴を許されましたが、席数が少ないとの理由で、大半のメディアは傍聴できず、また海外のメディアは傍聴を認められなかったということです。

 17日の中級法院は、早朝から厳戒態勢が敷かれていたため、裁判が始まったらしい、という情報が流れていましたが、公式には確認されていませんでした。実際には午前8時半に開廷し、昼頃終わったそうです。

 18日の法廷では、検察側による起訴状の内容も明らかにされています。その内容は、ほぼ下記の通りですが、このほか、被告側に有利になる点として、米国領事館を自主的に出たのは自首に相当すること、他人の犯罪を告発する功績をあげたことなどが指摘されており、いずれも刑を軽くする理由に相当する、と認めています。

 これによって裁判は結審し、後日、判決が言い渡されます。

 

・コメント

① 起訴状によれば、王の収賄額は305万元とされていますので、この点と、さらに上記の刑の減軽理由をヒントにすれば、まず死刑判決は出ない内容になっていると思われます。

② 「他人の犯罪を告発する功績」の「他人」とは、いったい誰のことでしょう? 判決書でもう少し具体的な内容が明らかにされるでしょうか?

 

 

・既報

 2012年9月5日の新華社通信が伝えたところによれば、王立軍・元重慶市副市長、公安局長の裁判が、四川省成都市の中級人民法院で始まることになったそうです。すでに成都市人民検察院は王被告を、反逆逃亡、職権乱用、収賄などの罪で起訴したとのことです。

 注目の〔異地審判〕については、その原則が適用され、四川省が選択されたことになります。〔異地〕というにはちょっと近すぎるような気もしますが、重慶市の元司法局長だった文強被告の場合も、当初は〔異地〕として貴州省が選択されたことを考慮すれば、局長クラスなら隣接する省というのがひとつの基準なのでしょうか。

 

・罪状

 上記の報道によれば、王立軍被告の罪状は、以下の4つです。

① 勝手に法を捻じ曲げた罪(刑法第条399条)

② 反逆逃亡罪(刑法第109条)

③ 職権乱用罪(刑法第245、254、397、403、410条)

④ 収賄罪(刑法第385~388条)

 ①の罪についてはあまり知られていませんので、これについて説明しておきます。

 中国刑法は第9章第397~419条で、汚職罪について規定していますが、①はそのうちの第399条に規定されている犯罪です。原文は〔徇私枉法罪〕で、司法関係者が対象とされています。具体的には、無罪と知りながら罪をなすりつけたり、その反対に、有罪と知りながら放置するなど、適正な法の運用に違反した場合に適用されます。

 また、③、④については、起訴状の内容が明らかでないため、具体的にどの条文に該当する行為なのかは明らかではありません。

 

・公判は非公開か?

 王被告の罪状を考慮すると、国家機密にかかわる部分がある可能性もあるため、薄熙来夫人(谷開来)被告の裁判のようには、公判が公開されない可能性があります。 

 同時に、場合によっては、薄熙来・元重慶市党委員会書記との関係が明らかにされる可能性もあり、注目されるところです。

 

 

 

 

 

 

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