中国法入門
田中信行研究室
中国法について知ろう
周永康裁判を検証する
続報3.無期懲役の判決
2015年6月11日に、周永康・前中央政法委員会書記の第1審裁判を審理していた天津市第1中級人民法院は、同被告に対し、無期懲役の判決を言い渡しました。
周被告は4月3日に起訴され、裁判が公開されるか注目されていましたが、同法院は5月22日に、国家機密にかかわる問題があるため、非公開で審理することを決めていました。そのため、実際に裁判が進行しているのか、まったく情報がなく、被告が抵抗して審理が遅れているなどの噂まで出るようになっていましたが、11日に突然テレビなどで一斉に判決が報じられました。
ニュース映像に登場した周被告は、完全な白髪になっていましたが、裁判長から判決に対する感想を求められると、神妙な面持ちで、「罪を悔いている。控訴はしない」などと発言しました。
続報2. 天津で裁判に
2015年4月3日に新華社が伝えたところでは、収賄容疑などで逮捕された周永康について、最高人民検察院は裁判の管轄を天津市人民検察院第1分院に指定し、同日、同検察院は天津市第1中級人民法院に公訴を提起した、ということです。
罪状としては、収賄罪、職権濫用罪、故意に国家機密を漏らした罪の3つがあげられており、とりわけこの「国家機密」が具体的に何を指しているかについて、関心が集まっています。
第1審の裁判は原則として、公訴の受理から2ヵ月以内に判決が出されることになっていますが、死刑判決の可能性がある場合などは3ヵ月の延長が認められています。さらに例外的な延長が認められる場合もありますが、そうでなければ9月初めまでには判決が下されることになります。
続報1. 周永康逮捕! 年明けに裁判へ
重大な規律違反の容疑で党中央規律検査委員会の審査を受けていた周永康・前中央政法委員会書記について、中央政治局は2014年12月5日の会議で、同委員会の報告について審議した結果、周前書記の党籍をはく奪し、犯罪の容疑で司法機関に移送した、と6日の新華社が伝えました。
また同日、最高人民検察院は、周前書記の犯罪容疑について捜査を進めると同時に、彼を逮捕することを決定した、とも伝えています。
これらの決定によって、中央規律検査委の審査が長く続いていた周永康事件は、ようやく裁判という最終段階を迎えることになりました。
・周永康・前中央政法委員会書記が審査に
2014年7月29日に人民網などは、党中央が、周永康・前中央政治局常務委員、中央政法委員会書記の重大な規律違反について、中央規律検査委員会が審査することを決定した、と伝えました。
また、同日に開催された中央政治局会議は、10月に中央委員会第4回全体会議を招集し、主要なテーマとして、法治主義の強化について検討することを明らかにしています。
周永康事件の関係者
人民大会堂大会議場で開催される全国人民代表大会
最高人民法院
2015年6月11日に、第1審判決を受けた周永康
人民大会堂大会議場で開催される全国人民代表大会