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                            中国で一番安全なホテル

 

 

          

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

重要な歴史の舞台

 北京市の目抜き通り、長安街を西に行った軍事博物館の近くに、京西賓館という名のホテルがありますが、ここは普通の商業ホテルとは違い、党、政府関係の重要会議を開催したり、そうした会議の参加者が宿泊するための施設です。おのずから厳重な警備によって守られているため、「中国で最も安全なホテル」ともいわれています。

 

 京西賓館は1959年に、ソ連式の建築様式で、13階建てのホテルとして建設され、1964年に開業しました。もう少し遅れて、中ソ対立が決定的になった1960年以降に着工していれば、まったく違った建物になっていたかもしれません。1990年には、地上29階、地下3階の新館が完成し、現在は東棟(新館)、西棟(旧館)、会議棟の3つの棟によって構成されています。

 

 1000室余りの客室、1300人収容の大ホールはじめ、70室余りの会議室と、大小40余りのレストランを備え、計2000人に食事を提供できるそうです。レストランの数が多いのは、各地方ごとの料理を提供するためで、200人の料理人が働いているそうです。

 

 ホテルは、人民解放軍総参謀部に属する施設として管理されており、言い換えれば、軍事施設ということでもあるわけです。

 

 そんなホテルですので、残念ながら部外者は利用することができません。国賓を接待するホテルとして知られている釣魚台賓館が、一般客にも開放されていたり、人民大会堂が見学者に開放されていたりするのに比べ、京西賓館は立ち入りも禁止されています。、「中国で最も安全なホテル」といわれるゆえんですが、中南海と同じく、一般人からは隔絶された施設ということができます。

 

 京西賓館は、全国人民代表大会や、中国共産党の全国代表大会が開催される際には、おもに参加者の宿泊施設として利用されますが、党の中央委員会全体会議などは、ここで開催されることも珍しくありません。文革から改革・開放政策への転換を決定したことで有名な、1978年の中国共産党第11期中央委員会第3回全体会議も、ここで開催されました。

 

 また旧い話になりますが、文革が始まって間もない1967年1月には、中央文革小組の江青、陳伯達らと、人民解放軍指導部とが激論を戦わせた「京西賓館事件」でも、広く知られています。

 

 数々の重要会議の開催場所となった京西賓館は、2014年11月に開催される第18期中央委員会第3回全体会議を迎えようとしています。

 

 

 

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