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                                   各地で騒乱相次ぐ

 

 

 

 
1.内蒙古から広東まで
  2011年6月になって、中国の各地で大規模な騒乱が発生しています。
  5月中旬から続いた内蒙古自治区シリンゴル盟の西ウジムチン旗の騒乱以降、湖北省利川市、広東省の潮州市、 増城市のほか、河南省鄭州市や湖南省長沙市などで、数百人から数千人の群衆を巻き込む騒乱が、数日間にわた って続き、治安部隊の出動を招く事態に発展しています。騒動のきっかけはさまざまですが、いずれの場合も社会に 蓄積した不満が、これらの事件をきっかけに爆発したもので、そうした不満が共通する地域は至る所にあり、同じよう な騒乱は、中国のどこでも起きる可能性があります。

 

2.四川からの出稼ぎ労働者に不満募る
  6月1日、広東省潮州市古巷鎮では、四川省からの出稼ぎ労働者が、雇主に未払い賃金の支給を求めたところ、 暴行を受け負傷するという事件が起こりました。犯人たちは間もなく逮捕されましたが、厳罰を求める群衆数百人が 集まり、連日抗議行動をおこなっていました。6日夜には数千人の市民を巻き込み、自動車数台がひっくり返され、1 台が炎上するという騒ぎに発展したため、ついに治安部隊が出動する事態になったということです。

  6月10日には広州の増城市新塘鎮大敦村で、露天商で妊娠中の女性が、大敦村治安防衛委員会の委員に暴行されるという事件があり、これをきっかけに、事件に抗議する数百人が公安派出所などに押しかけ、騒ぎとなりました。被害者の女性も四川省出身の出稼ぎ労働者で、抗議に集まった群衆も多くは同省出身者と見られています。
  11日深夜には千人以上の群衆が集まり、抗議行動がエスカレートした結果、ここでも数台の自動車がひっくり返され、バスが放火されるという騒ぎに発展しています。この騒乱は「6.11事件」と呼ばれていますが、騒ぎは12日も続き、13日には広州軍区の部隊2700人が出動して、ようやく平静に戻ったということです。その後、19名の出稼ぎ労働者が公務執行妨害罪などで逮捕されましたが、うち10名は四川省、重慶市の出身でした。


 

 

 

 

 

 

                                                        

                                      増城市の位置

 

 

 

 

 

 

 

 

                 

                          6.11事件を伝えるテレビのニュース                  炎上するバス

 

 

 

 

 

 

                                          
                             出動した解放軍部隊                        装甲車も    

 

 

3.失地農民の抗議行動も            
  潮州市や増城市の騒乱は、おもに四川省などからの出稼ぎ労働者によるものですが、鄭州市と長沙市の騒乱は、
 立ち退きを求められた農民によるものです。
  鄭州市では5月以来、立ち退きをめぐる補償問題がこじれ、地元政府、開発業者と農民との間で対立が続いていま
 したが、6月10日には暴力的な抗争に発展し、負傷者が出る事態になっていました。12日になって、開発業者が雇っ
 たとみられる約400人の集団が、鉄パイプなどを手に農民を襲撃したため、千人近い治安部隊が出動したということ
 です。農民たちは、補償問題が解決されなければ集団自殺すると表明するなど、不退転の決意で対決姿勢を強めて
 います。

 

 

 

 

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